筋斗雲(トヨタのKINTO)、ゴー!

えー、そうなの?ちょっと困惑気味の大垣人でございますぅ。
水曜日の夜は飲みの約束をしていたのですが、突然会議招集メールが。
会議、そう仕事のです。

世の中「働き方改革」だの、「残業はしっかり払います、サービス残業はNG」って言っているのに、
会議が1900時〜2030時ってどうよ。
大垣人は昼間に会議がなく、ダダ空きなんだけど、夜だけ忙しくなってどうよ!(おいおい)

ま、仕方ない。仕事だし。ちゃんと仕事しますので。
クビになったらもともこもない。窓際で居られるだけ居ないとね<バキッ。

今日はドラマの話とかではなく、ニュースの話。
トヨタの筋斗雲、もとい、KINTOのサービス概要が発表になりましたね。
難産だったのかねぇ。

発表されたサービス、俗にいう「サブスクリプション(定額制)サービス」は2つ。

「KINTO ONE」
「KINTO SELECT」
前者は、トヨタブランド、後者が、レクサスブランドのサービス。契約期間は両方とも36ヶ月、3年間とのこと。

KINTO ONEは、同じ車を均一料金で3年間乗れるサービス。選んだ車種により価格が変わる。
プリウスやカローラで約5万円、ヴェルファイヤ、クラウンで約10万円。
クラウンで360万円って、どうよ?

クラウンの価格は幅広いけど、中央値を500万だと考えてみる。
500万円以上のクラウンを購入して、5年以上、まぁ車検2回は通して乗るというユーザーからしてみると悪くない。
3年毎に新車に乗り換えられる。最大のメリットは3年毎に新車が乗れる、ということに尽きるでしょう。

あとは、保険料やメンテナンス代も含まれるので、家計には優しそう(予め出費の予測ができる)。

レクサス車対象の「KINTO SELECT」は月額約20万円。
こちらは6ヶ月毎に対象車種の中で乗り換えられる。
これは、法人 (特に、中小企業のオーナー)をターゲットにしているのかな。

ただし、対象車種にフラッグシップのLSは含まれない。GSも含まれない。ES300hは含まれる(これで十分じゃない?)
ただし20万円ってことは3年で700万円ほどになるが、こうなると新車買えちゃうんだよね。
なので、6ヶ月毎に乗り換えられるという付加価値がついているんだろうけど。あと一括現金購入でないからね。

クルマの保有期間って統計的には7年ほどだろうか?

その店ではKINTOサービスにより販売台数の上積みが期待できる。

新車販売とKINTOの間で食い合いは起きないのか?起きるだろう。
トヨタは「お客様の選択肢が増えることは良いこと」としているようだが、本音は台数か。

では販売する側のディーラーはどうか。

ディーラーの販売プロセスが簡素化されるので、セールスの要員構成に影響が出るかも。
要は、過剰人員になることが予想される。
だって、単一価格なので、値引き交渉もないんでしょ。オプションを検討することも(少)ない?

そうなると、中期の目線でいくとやはりディーラーの数も規模も縮小傾向になるのでは。

そのうち、KINTO専門店が展示車数台とかでカフェと併設なんてのもでてくるでしょ。
シンガポールみたいにデパートに出店したりして。

セールスマンも「営業」ではなく「販売員」化する?
ネゴ力も必要ないし、単なる申込みを対応する受付業務のみに絞られるかも。
KINTO SELECTだと、試乗すら必要なくなるかも?

極端にいえば、KINTOの対応は商品知識も対して必要ないかも。
保険のセールスよりは、マンション販売のセールスといったレベルで他追撃可能だ。
その分、おもてなしが問われることになる?

言い換えると、ブランド毀損に繋がりかねないリスクも有るということだ。お客様との接点とその内容が変わるわけだから。

レクサス店にサービスは併設されてなくてもよくなるかも?
半年ごとに新車に入れ替わるKINTO SELECTがメインになると、1ヶ月点検の入庫のみが必要になる?
すると、入庫予約することがない。車検だなんだがないので。

そうなると、入庫してサービスが終わるまでラウンジで待つ必要もない。
ディーラーもその場で修理点検を施す必要もない。
そうなると、サービス向上は販売から離れた場所でも構わない。「中央工場化」も作りやすくなる。

大型のサービス向上で大量のクルマの修理点検が対応できれば生産性も上がるしね。
ますますお店の敷地は狭くても十分になりそうだ。
余ってくる土地の有効活用って話にもつながるんだろうな。

ただでさえ、トヨタはディーラー系列が4つもあり、同じ地域に複数点の「トヨタ」がある場合が多いし。
こりゃ、大変な動きだわ。

中古車市場は、これによりさらに拡大路線になるだろう。
定期的に中古車になるクルマの数が増えるわけだから。
そうなると国内で捌くのみならず、輸出も増える。耐久性のあるトヨタ車であるからなおさら。

そうなると中古を生業としている地方の有力ディーラーは新車ビジネスに進出したくなるよな。
中古車を確保できるパイプラインを持てれば有利だから。
そういう圧力が他ブランドに働いたりするのだろうか。トヨタのディーラーに参入するには障壁が高いだろうし。

この業界、これからどうなっているのか、面白そうだ。

KINTO ONEは、
・ディーラー(のセールス)が嫌いな人、ネゴが嫌いな人(不得意な人)
・過去にメンテナンスで大金が必要になった経験のある人
・定期的に車を乗り換えたい人、すぐに車が飽きていしまう人
・一定期間、移動手段(車)を確保しておく必要のある人

KINTO SELECTは、
・決められた予算内で車を利用したい人(定額で高級車に乗る)
・ステータスにこだわりをもつ人、ファッションなどのトレンドを追う人
・ゴルフする人で、毎度ゴルフ場で愛車を友人に見せびらかしたい人(!)
・最新のデジタルに造詣の深い人、自動運転に興味のある人(半年ごとに新車=ネットに繋がる最新技術を搭載した車)
・レクサスやプレミアムブランドを乗っていてかつ、自動車保険が高くついている人(等級が低い人)

両サービスともさすがに距離制限があるので、留意しないといけないですね。

それにしても「筋斗雲」から発想を得たKINTOですが、
「必要な時だけ、必要なものを」ということだったかと想います。
要は、必要な場所に届けてくれる(引き取ってくれる)、といったデリバリーサービスもイメージしていました。

そのあたりは、このサービスがアップデートされていくのでしょうか。

たしかに、プレス発表でも「ウインタータイヤを含めたオプションについてはまだ検討段階」ということでした。
これからいろいろと追加されていくことを期待しましょう。

月額20万円をカードで支払えるようになるのかな?そうなるとポイントも貯まるぞ。

かくいう大垣人は、ずっとこのKINTOの動向に注目してきた。
次の車を考える上でも、レクサスが選択肢に入れられるかもという淡い(?)期待があったから。
でもまぁ、MoonFlower様はレクサス車にNGを出すだろうな〜。

では。